私たちの生活に欠かせない水は、人間を含むすべての生き物にとってなくてはならない大切な資源です。
水道が発達した現在では、蛇口をひねると当たり前のように水がでてきます。
しかし昔は水を確保するために川や池から湧き水を運んでいました。先人たちが知恵をしぼり努力の結果、一般的に井戸が普及したのはそれほど昔の話ではなく、つい江戸時代の中期くらいの話。
水道が発達した区域にお住まいの方は、井戸は馴染みがないかもしれませんが、まだまだ井戸を利用している区域も多いようです。
また、水道代がかからない、夏は冷たく冬はぬるい水がでる井戸水を家庭にも取り入れたいと考えている方もおられるのではないでしょうか?
しかし便利だからといってやみくもに井戸を掘ってはいけません。
掘る方位を誤れば、家族に深刻な健康被害やトラブルを巻き起こす可能性もあり得ます。
昔から水の神さまが宿るといわれる井戸について注意するべき点を確認してみましょう。
目次
井戸水を引くメリット・デメリット
田舎に行くと、家の庭に古いポンプのようなものがあり、それを押し引きすると水が出てきて、子どもたちが涼しそうに水遊びをしている、あるいは桶に張った水にスイカやトマトを冷やして縁側で食べるシーンを思い浮かべるのではないでしょうか。
厚生労働省によると水道の普及率は全国平均で98.1%、東京・大阪においては100.0%となっておりますが、その一方、井戸水を引きたいと考えている方もおられます。
井戸水を利用するメリットは何でしょうか?
水道代がかからない
水道を利用する場合は、基本料金に合わせて使用料がかかってきます。2ヵ月に1度水道料金を支払いしますが、水源が確保しにくい区域では水道料金が高いエリアもあります。
ところが井戸水は、水道代がかかりません。かかるのは水をくみ上げるときに使うポンプの電気代だけで、微々たるものです。
水を多く使うお風呂や、庭の水まき、洗車などに井戸水を使えばかなりの節約になります。
災害時に困らない
災害によってライフラインが止まってしまっても、井戸があれば手押しポンプで水をくみ上げることができ、生活用水として使用することができます。
ただし電動式のくみ上げポンプは電気を使うため停電時は使用できません。災害に備えて手動ポンプを準備しておく必要があります。
水質検査に合格していれば、飲用水としての利用も可能なので、震災などで復旧までに何日も要す場合、とりあえず水の確保はできるので安心です。
水温が安定している
マンションやビルなど貯水槽から水を供給している場合、夏は蛇口からお湯のような温度の高い水が出てきますが、井戸水は地下水なので温度が安定しています。
むしろ夏は冷たく、冬は温かい水が出てきますので、快適に使うことができます。
カルキ臭がない
井戸水は、水道水のように塩素で消毒していないのでカルキ臭がありません。水質検査に合格した井戸水であれば飲むこともでき、カルシウムとマグネシウムが含まれています。
コストがかかる
水代がかからない井戸水ですが、設置するためには井戸を掘らなければならず、工事代金が発生します。
ボーリング工事の一般的な費用相場は、深さが20mより浅ければ30万円~50万円程度、深さが50mから100mになってくると60万円~100万円前後かかってきます。
定期的に水質検査を受ける必要あり
井戸はどこを掘っても良質な水が出るとは限りません。土地の状態や近隣環境にも左右され水質も変わってきます。
飲用水として使用する場合、51項目の水質検査を受ける必要があり、その後も定期的に水質検査を行う必要があります。
というのは井戸水の水質は安定しているとは限らず、災害や大雨などにより地盤が変化し、水質が左右される可能性があるからです。
井戸の方位ごとの吉凶図
方位ごとの吉凶は以下の通りになります。
- 北…大凶
- 北東…大凶
- 東…大吉
- 南東…大吉
- 南…大凶
- 南西…大凶
- 西…吉
- 北西…大吉
家の中心からみて、東、南東、北西方位は吉相です。さらには巽(たつみ)、乾(いぬい)、甲(きのえ)、乙(きのと)は大吉です。
東の井戸は【大吉】
東方位の井戸は酸素性大気の発生圏なので水質が良質で、家族が健康運に恵まれます。
また長男の方位でもあるため、長男の努力によって家を繁栄させるといわれます。
南東の井戸は【大吉】
南東方位も吉ですが、とくに巽(たつみ)にあると大吉。仕事運に恵まれ家運が上昇します。
北西の井戸は【大吉】
北西も吉で、中でも乾(いぬい)の方位は、巽(たつみ)に次ぐ吉兆となります。家が繁栄する暗示です。
西の井戸は【半吉】
西については家相家の中でも吉と判断するものと、凶と判断するものに分かれます。西30度の範囲内であれば吉。
南の井戸は【大凶】
南は火の性質をもち、水とエネルギーの対立が起こります。南に井戸を設けると、家族に災いがあり最も悪い方位とされています。
北の井戸は【凶】
北にあるのは無事ですが、真北に設けるのは大凶となります。
北東(表鬼門)の井戸は【大凶】
艮(こん)にあるはもっとも忌む方位で家族に病人が絶えず、もっとも悪い方位です。
南西(裏鬼門)の井戸は【大凶】
坤(こん)の方位に井戸を置くと、家族が絶えず病災に悩まされ、怪我をしたり命を落としたりします。裏鬼門方位は大凶です。
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正中線・四隅線上も避ける
真北と真南を結ぶ線上の正中線と、西と東を結ぶ線上の四隅線も火の性質が強いため、井戸を掘ってはいけません。
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井戸掘りとお祓い
家を新築するときは地鎮祭など行い、その土地の神様に土地の利用の許しを請い安全・安心をお願いするのですが、井戸を掘る場合も同様にお祓いをしなければなりません。
日本には「八百万(やおよろず)の神」が存在するといわれ、井戸にも水の神様が宿っております。生活に欠かせない大切な井戸を掘ったり埋めたりする場合は、きちんと神様に許しを得る必要があります。
古井戸を埋めるときも注意する
また井戸には神様のほか、井戸の水を守ってくれる井戸の霊も宿っています。使わなくなった井戸をお祓いせずに埋めるのは、神さまや井戸の霊を生き埋めにするのと同じ扱いになってしまうため、とても無礼な行為です。
生き埋めになった神様は怒り、家族が不仲になったり、健康を害するといわれています。目にみえないもので根拠もない話と、行わない方もおられますが、命の源である水を与えてくれた井戸に感謝する気持ちもこめて、ていねいに井戸を元の土の状態に戻してあげましょう。