家相をみるときに大切なのは、「北」の方位をきちんと把握することです。
ところが北には「真北(しんぼく)」と「磁北(じぼく)」があり、どちらを用いたらいいのか悩みます。
これについては、家相鑑定士、設計士など家相家と呼ばれる方でも流派によって意見が異なりまちまちです。
磁北と真北の違い
北を指す場合、地図上の真北と、方位磁石が示す磁北の2つがあります。
磁北とは
方位磁石が指す北(N極)の方向を磁北といいます。
磁北は方位磁石を使って方位をみますが、そのときに電磁波や家電製品などの影響を受けて正確な北を測れないこともあります。
真北とは
地球の北極点と南極点を結んだ子午線の向きを真北といいます。
地形図の上を指す北は「真北」のことで、普通にいう「北」のことです。
また、磁北と真北には少しズレがあります。このずれを偏角といい、日本各地で2°~10°の差があります。そしてこの磁北点は少しずつズレているようです。
磁北を自力で調べる方法
自分で方位磁石で測るときに、家の中心に磁石盤を置き北を指す方位をみますが、近くに電子レンジやパソコンなど磁気を発するものがあると磁波の影響を受けるため、正確に北を計測できなくなります。
計測する場合は、近くに高圧線や線路、エンジンがかかった車、パソコンなどの電磁波を発するものなど磁石に影響を与えるものがないかを確認します。
また、些細なことですが身につけている時計やブレスレットなどの貴金属も影響することがあります。
それらをすべてはずして計測します。
計測するときは、地面に磁石を置くのではなく、地面から最低1メートルほど上の位置に、分厚い雑誌などの上に方位磁石を乗せて行います。
1ヵ所だけでなく、何ヵ所かで測定して磁北を判断します。
偏角をみる
「真北」と「磁北」には誤差があります。
真北と磁北の誤差は年ごとに変化しており、南から北へその差は大きくなっていき、鹿児島で6度、東京・大阪で6~7度、仙台・新潟で7~8度、札幌で9度と、磁北は少しずつ西にずれています。
このずれを「偏角(へんかく)」といい、家相をみる場合は、磁石で測った北から東へ偏角分をずらして「真北」を求めて北の方位を出します。
ご自身の住まいの偏角を知りたい場合は、国土地理院のサイトに偏角の計算サイトがあるので、そちらで計測してみてください。
参考サイト「地磁気値(予測値)を求める」
住まいの偏角をもっとくわしく
磁石で計測した北から自分の住まいの地域の偏角値を算出し、そこから偏角分を東にずらしてみなければなりません。
国土地理院のこちらのページで「偏角一覧図」のPDFを添付しているので自分の住まいの偏角値を確認してみましょう。
国土地理院の「偏角一覧図」2015年値から主要都市の偏角値を抜粋しておきます。
稚内 | 10.10 | 千葉 | 6.50 | 津 | 6.50 | 徳島 | 6.50 |
札幌 | 9.50 | 横浜 | 7.00 | 大津 | 7.10 | 高松 | 7.00 |
青森 | 8.20 | 東京 | 7.00 | 京都 | 7.00 | 松山 | 6.40 |
盛岡 | 8.30 | 新潟 | 8.10 | 大阪 | 6.50 | 高知 | 6.50 |
秋田 | 8.20 | 富山 | 7.30 | 神戸 | 7.00 | 福岡 | 6.40 |
仙台 | 8.00 | 金沢 | 7.30 | 奈良 | 7.00 | 佐賀 | 6.30 |
福島 | 7.30 | 福井 | 7.20 | 和歌山 | 6.50 | 長崎 | 6.10 |
山形 | 7.00 | 甲府 | 6.10 | 鳥取 | 7.30 | 熊本 | 6.10 |
水戸 | 7.00 | 長野 | 7.10 | 松江 | 7.30 | 大分 | 6.40 |
宇都宮 | 7.20 | 岐阜 | 7.10 | 岡山 | 7.00 | 宮崎 | 6.00 |
前橋 | 7.20 | 静岡 | 6.20 | 広島 | 6.50 | 鹿児島 | 6.10 |
さいたま | 7.00 | 名古屋 | 7.00 | 山口 | 6.50 | 那覇 | 4.00 |
詳しく見たい方は、同ページ内の2010.0年値「偏角一覧図東日本」「偏角一覧図西日本」でさらに細かい地域で確認することができます。
家相は磁北?真北?どちらでみる
正しく磁北を求めようとすると、さまざまな注意点があり、それらすべてをクリアにするのは困難です。身につけている貴金属であれば外して計測すればいいのですが、近くに高圧線や線路がある場合は自分で動かすわけにはいきませんね。
仮に正確に北を測れたとして、そこから偏角を出さなければなりません。
真北と磁北の差は、日本全国で異なり、また直近の100年間に1000キロ移動しています。このように磁北から正確な北を割り出すのはやや難易度が高いです。
一方、建築基準法で定められているのは「真北」です。
真北の求め方については、
- 真北測定器による方法
- 地形図や都市計画図の方眼北(縦線)を真北とする方法
- 磁北から時計回り(東側)に振る方法
が挙げられ、建築士さんや設計士さんが描く平面図は真北を取り入れて建築確認申請をしています。
さて、では家相では「磁北」と「真北」どちらを用いたらよいのでしょうか?
ここは家相家の中でも意見がきっぱり分かれており、どちらを正しい「北」とするかで、吉凶の判断が変わってきます。
そこで家相の書籍などからどちらを採用しているのか調査してみたところ、どちらかと言えば、「真北」を北とする専門家が多い印象でした。
真北を用いる理由は
- 磁北は毎年少しずつズレるので正確な方向を出すのが困難
- 磁北を測るときに電磁波などの影響を受けやすく計測が難しい
- 真北は建築基準法で採用されている
- 真北は北がずれない
磁北は測り方が複雑なうえに、その時々でズレが生じるなら、あいまいで基準として成り立っていないということですね。
その一方で、「磁北」を用いる専門家もいます。風水の場合も「磁北」を用います。
磁北を用いる家相家の考えは、家相は自然の理を説いた学問であることから、自然界の指針となる磁北を使うのは当然だというものです。
個人的な見解
家相は大地のエネルギーを得ることから磁力を無視できず、磁北で方角を決めるべきという考えはなるほど納得できます。
まったく個人的な感覚ですが、磁北を主張している方は風水も思想に取り入れた鑑定士、建築士、占い師の方が多く、真北を主張している方は設計士、建築士といった設計の中に家相を取り入れたという方が多いような気がします。
あくまでも個人的な印象ですが。
では仮に磁北を取り入れたとして、きちんと磁北を計測できるのか?といえば、それは結構難しいように思います。
偏角一覧図でも全国版と東日本、西日本版では地域によっては数値が異なるところもあり、どれを参考にしていいのか悩みます。
結局のところ正確に「北」を出したいなら、測量士さんなどに依頼して本格的に行う必要がでてくるわけですよね。
仮にお金をかけて正確な「北」を計測したとして、今度は流派によって見解が異なるなら吉相も変わってきます。
どこまで信じて行うかは個人によって異なると思いますが、私個人的にはまずは自分でざっくりと家相診断をして、そのあとで専門家に見てもらうのがいいと思っています。
話を戻して、磁北か真北かなら、自己診断で指針とするのは、設計士さんに図面に書いてもらった「真北」が間違いないのでは?
仮に方位が示してある図面が入手できない場合は、磁石を使って北を出し、偏角分を東にずらした方向を「北」として出してみる。
そこから自己診断をしてみて、そのあと専門家に見てもらい、自己診断との違いを確認する。
今から家を建てるなら、やはり専門家にみてもらうほうが間違いないと思います。
お願いした設計士さんが磁北を用いているならそれでよし。その根拠を伺い、自分自身が納得しながら家の設計を進めていきます。
すでに家が完成して住んでいる場合で、間取りが凶相と鑑定されたなら、それをどうやれば改善できるのか、間取り変更は無理にしても、風水的なことで解決可能かなど、打開策を考え自分たち家族が住みやすい環境づくりをする。
要は気をもみ過ぎないこと。
家相にはいくらでも逃げ道はあります。
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